あの日　わたしは

岩手県陸前高田市- その海側を見たら、そこに建っている家の2階の屋根の上の方から茶色いしぶきが見えたので、津波が来たんだということを、この時点で初めてわかりました。この山にすぐ駆け上がろうということで、この山に、持ってきたラジオも捨てて、走りました。岩手県立高田（たかた）高校・教諭の川口 倫（かわぐち・ひとし）さん。生徒たちを高台のグラウンドへ避難させました。あの日、川口さんは、学校近くの市民体育館へ向かう途中、激しい揺れに襲われます。体育館では、顧問をしていたソフトテニス部の部員たちが練習していました。揺れは右の前輪と左の後輪と斜めにこう揺れるような。早く生徒のところに行かなきゃだめだなって。１５人の部員は、体育館の外で待機していました。川口さんは、１００メートルほど離れた学校へ避難するよう指示します。