あの日　わたしは

岩手県宮古市- 防潮堤を避難する時間が、あと数分遅かったら、私らもこの世にはいなかったと思いますね。自然に対して人間がどう抵抗しても、人工的に作ったものでは、この災害自体も防ぐっていうことは、まず無理だと。岩手県宮古市で、消防団に所属する舘 昭壱（たて・しょういち）さん。舘さんは、団員を統率して、津波に備えました。地震が起きたあと、舘さんは水門に向かいます。数か所ある水門を、他の団員たちが閉める中、舘さんは分団全体の監視役を務めました。みんなが動いている様子を見ながら、誰がどこに行ってるのかを確認して、みんなここに戻ってくるのを待って。田老地区は、過去にも津波で大きな被害を受け、巨大な防潮堤が作られています。午後３時。舘さんは水門を閉めたあと、作業が終わったことを消防署に報告しました。すると…。