あの日　わたしは

福島県相馬市- あそこの堤があるでしょ。あの土手は堤なんですよ。（津波は）あそこの上まで入りましたから。だからこの辺りは全部水浸し。もうこの辺は何も残っていなかった。何て言っていいかわからないですよね。「ああ、なった」という感じだけだったですよね。福島県相馬市原釜（はらがま）地区で理容店を営んでいた立谷幸一（たちや・こういち）さん。津波の危険をいち早く感じて、家族とともに車で避難しました。立谷さんの自宅と店は、海から２００メートルほどの場所にありました。ここが店の敷地です。お客さんにお茶出したり、コーヒー出すとき使っていたコップです。あの日、妻と息子の３人で、仕事をしていたとき、大きな揺れに襲われました。ここを出たときに、すぐ屋根を見たですよ。屋根（瓦）がバラバラ落ちてきて、お客さんの車のフロントガラスにぶつかったんですよ。割れちゃって。これはやばいと思った。