あの日　わたしは

岩手県山田町- 消防団が「来たぞ、来たぞ」と走ってきたんですね。津波が寄せてくる。がれきが後ろから追っかけてくる。思わず、もう、とにかく発進した。この角を曲がったときに、女房が（車に乗って）いないことに気づいてびっくりした。私も慌てておったんですね。岩手県山田町（やまだまち）に住んでいた川端信作さん。妻と一緒に避難しようとしましたが、離れ離れになってしまいました。あの日、川端さんは、自宅でパソコンを使っている最中、大きな揺れに襲われます。いっぱいごちゃごちゃ落ちてきたんですね。３分たっても収まらないから、これは大変とばかり。データも大事だけど仕方なくそのまま、ほっぽり投げて階段を下りて、あっちにぶつけ、こっちにぶつけながら、下りてきたんですね。急いで外に飛び出す川端さん。そこで外出していた妻と出会いました。開けたとたんに、女房が帰ってきた。