あの日　わたしは

岩手県釜石市- こういうとこからもね、水が噴いてるんです、ビャーッと。噴水みたいに。（津波で）電柱が全然見えなくなったからね。まあ20メートル以上来たと思うよ。岩手県釜石市鵜住居（うのすまい）で、消防団の分団長を務めている鈴木堅一さん。水門を閉めに行っている最中に、津波に襲われ、消防車で高台に逃げました。地震が起きたとき、鈴木さんは、妻と息子夫婦の４人で、自宅の１階にいました。（家族）４人ともここにいたね。ばあちゃん（妻）は、びっくりしてテレビにすがりついて。ここにちょうどテレビがあって。とにかく、これは絶対津波が来るのはわかっていたから。ばあちゃんさ、「俺は水門さ（閉めに）行くから、あとは頼むぞ」って。鈴木さんは、消防団としての任務のため、海へ駆けつけます。海辺にたどりついたとき、水門はすでに地元の人が閉めたあとでした。