あの日　わたしは

茨城県大洗町- 海は怖い。少し間違えれば、本当に転覆まであるから、波の力っていうのは半端じゃないから。茨城県大洗町（おおあらいまち）で漁師をする小沼福松（おぬま・ふくまつ）さん。小沼さんは、とっさの判断で沖に避難し、津波から船を守りました。茨城県有数の漁業基地、大洗港。小沼さんの自宅は、港から車で５分の高台にあります。あの日、漁から帰った小沼さんは、突き上げるような衝撃に襲われます。その時、頭をよぎったことは…。津波が来ると思った。あの時はとっさの考えで船で沖に逃げる。港の中に船を置くと、船が（津波で）だめになっちゃうでしょ。港に駆けつけた小沼さんは、津波から船を守るため、沖へ急ぎました。こんなね、体験は初めてなもんで。やっぱり怖いよね。だけど、乗っちゃえば、もうあとは自分が船動かすだけだから。