あの日　わたしは

岩手県釜石市- 引き波があるべさ。それがだんだんと引いて、ずっと引けるんだものね。底が見えるぐらい。そうすれば、その濁りが全部沖さ行くわけさ。（言い伝えでは）沖さ行っても、（海が）濁っている渦になっている所は危険、青い海だったらば大丈夫。だから俺たちはとにかく出て行って、青い海、青い海と（船を）走らせたのさ。岩手県釜石市片岸町（かたぎしちょう）の潜水士、紺野光夫さん。津波に流された人を助けようとしました。潜水中に地鳴り紺野さんは、三陸地方で１００年以上前から伝わるヘルメット式潜水技術「南部もぐり」のベテランです。あの日、紺野さんは、ヘルメットなど、３０キロもある装備をつけて、海の中で、船の整備をしていました。そのとき、海底からつき上げるような地鳴りを感じます。