あの日　わたしは

岩手県山田町- これは、ただごとではないなと。あとは自分の病院ではもう（診療が）出来ないと、それは思ったんです。町を見ていて、これは町も相当被害を受けるだろうと。それからもう、早くどこかで診療を始めなきゃいけないと思いました。岩手県山田町（やまだまち）の開業医、近藤晃弘（こんどう・あきひろ）さん。自分の病院が津波の被害に遭い、小学校の保健室で、診療を続けました。あの日、近藤さんは、海のそばにあった病院で津波を目撃しました。この堤防から水が来るのが見えましたね。その隙間からドーッと波が来るのを見て、これはただごとではないということで、慌てて２階から３階、３階から屋上に行ったんですね。家が次々流れていくんですね。自分のいる建物にドンドンドンドンぶつかって来るのが見えた。近藤さんは、病院のスタッフと屋上へ避難。病院は２階まで浸水し、診療は出来なくなりました。