あの日　わたしは

宮城県気仙沼市- 私見たときは、もう着いたときは両方から波がぶつかって、その辺で全部一体になったような状態に見えたですね。店が流れるのも見えたしね。もう言葉も出ないというか、あっけにとられるという感じで、もう涙も出なかったですね。宮城県気仙沼市大島で食堂を営む菊田強さん。菊田さんは、前と後ろ両方から迫る津波を、とっさに下した判断で避けることができました。気仙沼湾の入り口にあり、およそ３０００人の人が住む大島。震災前の菊田さんの店は、島の西部に位置する浦の浜地区にありました。島の玄関口である港から歩いてすぐの場所です。だいたい、ここが玄関の上がり口で。ここにテーブルがあったんですね。調理場で昼の後片づけをしていたとき、突然、激しい揺れに襲われます。食器とか、もうだいぶ棚から落ちたり物が倒れたりした。すごい音はしました。