あの日　わたしは

福島県南相馬市- ここで一瞬右側を見たんですよ。（妻の）車がついてきてなかったです。ここでいったん止まって、車から降りたんだよ。そしたら孫が（津波が迫っていると）ガンガン騒ぐものだから、すぐにまた車に飛び乗ったんだけど。すぐ後ろまで波が迫っていたと思うけども。それでやむなく走って。福島県南相馬市原町区で、農業を営む八津尾初夫（やつお・はつお）さん。家族と親戚の８人で、津波から避難しようとしました。震災当日、農作業をしていた八津尾さんは、かつて経験したことのない揺れを感じました。立っていられなくて、はいつくばるような感じ。トラクターは車輪が浮くんでないかと思うくらい、左右に揺れて。何だこれは、ただごとじゃないなと思って。家族が心配になり、海岸に近い自宅に戻ります。津波のことは気にもかけていませんでした。