あの日　わたしは

福島県大熊町- 薬も手に入らない、医者も診てくれない状況が続いたら、このままもう終わってしまうんじゃないか。ここで死を迎えるんじゃないかという思いに駆られたことがありました。福島県大熊町役場の保健師、澤田裕美子さん。町民が避難した体育館で、健康管理や救護活動に奔走しました。３月１１日、大地震と津波が襲い、至る所で、道が寸断されるなど甚大な被害が出ました。澤田さんは、同僚の武内さんとともに町の保健センターでデイケアの仕事をしていました。テーブルの下にもぐろうと最初は思ったんですけど、テーブル自体が倒れてしまって。武内：とにかくそのときは、そのメンバーさん（参加者）を安全に守らなければいけないって、職員みんな必死だったと思いますね。原発の状況が悪化。３キロ圏内の避難指示が、翌朝、１０キロに拡大。大熊町の１万１千人すべての住民が町を出ることになります。