あの日　わたしは

宮城県女川町- 一発目の波が膨れ上がって、見えなくなってから、バタバタと一番道路側の家が倒れると、次々になぎ倒しで全部流れていった。もうここまで膨れ上がってきたから、みんな逃げろって言って、みんなそっちの山さ、走って逃げたんですよ。宮城県女川町野々浜（ののはま）地区で漁師をしている石森孝之さん。地震のあと、いったんは自宅に帰りますが、海の様子を見て、津波が来ると思い、高台に逃げました。女川原発に近い野々浜地区は、２７世帯、６７人が暮らしていましたが、すべての家が流され、死者は３人でした。石森さんは、漁が休みの期間は、女川原子力発電所で働いています。震災当日は、原発の敷地内にたまった地下水をくみ上げるポンプの修理をしていました。もうガタガタどころの話じゃなかったね。あの時はすごかったですね。3人でいて、もう終わりかなと思ったから。