証言記録　東日本大震災

宮城県女川町- この辺ですね、初めて見たのは。で、パッと見たときにですね、町全体の景色が変わっていたんですね。全部ごみの山というか。女川ですかねって言ったら、そうみたいだよっていう話になったんで。それぐらい信じられない光景というか。宮城県女川町で水産加工業を営む阿部淳さんです。地震が起きたとき、仙台市にいて無事でしたが、女川の自宅と工場を失いました。阿部さんの加工場では、地元の素材を生かしたサンマの昆布巻きを作っていました。商品を開発したのは、９年前に亡くなった父の仁一（じんいち）さんです。女川の特産品に付加価値をつけることで、地域を振興しようと考えたのです。せっかく優れた加工品があるのにっていうことで。技術もあるのにっていうことで、うちのおやじ、まあ先代のおやじがですね、デパートでも置ける商品を作りたいと思い立ってですね。