あの日　わたしは

岩手県釜石市- ここから沖の方を見て、ああ、津波が来たと。そうしたらこの防潮堤から、風呂の水があふれるように、ワーッとね。「すごい、すごい、越えた、越えた！」いやー、びっくりしましたね、あの時は。岩手県釜石市両石町（りょういしちょう）で、町内会長を務める瀬戸 元さん。津波が町を飲み込む様子を、ビデオカメラに記録しました。平成２３年３月１１日、瀬戸さんは、２日前に起きた地震で津波が観測されたため、桟橋に自分で作った潮位計を取り付けに行きました。ここなんですよね、桟橋があったのは。こういう格好で、柱にくくりつけていたわけですよ、潮位計を。最後のひもを結び終えようとしたその時、今までに経験したことのない揺れを感じました。だからもう、その時に波がドンドンドンドンと煮立つように。それもとんがってね。そのあれがね、海が動いたんですよ。