あの日　わたしは

岩手県大槌町- あの地震というのは、今までにない強さの揺れでしたので、私は、チリ地震を経験しておりますので、もうそれよりも高い波が来ると感じました。危ないから上さ逃げろ、上さ上がれって、騒ぎました。大槌町立吉里吉里（きりきり）中学校校長の沼田義孝（ぬまた・よしたか）さん。地震のあと、校庭に避難していた生徒たちを、裏山へと避難させました。震災当日、沼田さんは自宅で強い揺れに襲われます。前日に亡くなった父親の葬儀を行う直前のことでした。ダーッと揺れて、それを押さえて。これだともうすごい高い津波が来るなと、そう思いました。生徒たちを守らなければいけない。沼田さんは、葬儀の事は家族に任せ、すぐに学校に向かいます。生徒数１００人余りの吉里吉里（きりきり）中学校は、海から６００メートルほど離れた高台にあり、大槌町の避難所に指定されていました。