証言記録　東日本大震災

岩手県陸前高田市- 私は、はんてんを着ているものですから、その人たちを追い越して、自分が最初に逃げるという行為は出来ないなと、そこでまず諦めたんです。生きるっていうことを、諦めた。どこからどこまでが、やっていいことなのか、やらなくてもいいことなのかっていうのは、正直言ってタブーでしたね、間違いなく。せざるを得なかったっていうのが、本当だと思います、本音ですよ。正直本当に申し訳ないんですけど、私のトップダウンです。岩手県、陸前高田市消防団、高田分団の分団長を務めていた大坂淳さんです。大坂さん自身も津波に襲われましたが、最前線で消防団を指揮し続けました。岩手県陸前高田市です。陸前高田市の中で最も大きな被害を受けたのが、湾の奥に位置する高田町（たかたちょう）でした。市役所など陸前高田の中枢が集まるこの高田町には、震災前、７６００人が住んでいました。