あの日　わたしは

宮城県気仙沼市- 後ろからの津波は大丈夫だと思って、走って逃げたんです。そうしたら、前からも（津波が来た）。前から来るなんて予想していなかったものだから、前と後ろでバーンとなって、その時畳が。何か流れているものはないかって、そして畳にすがったんですね。宮城県気仙沼市で、神社の宮司をしている大内是明（おおうち・これあき）さん。津波に流された大内さんが、とっさにつかまったのは、一枚の畳でした。大内さんが宮司を務める神社と自宅は、海岸から２００メートルほどの場所にありました。しかし、建物はすべて津波で流されてしまいました。あの辺ですね。震災当日、自宅で大きな揺れを感じた大内さんは、近くの土手まで、海の様子を見に行きました。ただ、水が増えるような感じで来たんですね、最初は。