あの日　わたしは

宮城県南三陸町- とにかく新聞記者ですから、後で発表する機会が必ずあると思っていましたので、必死で夢中でシャッターを押していました。足はガクガクっていう感じで、もう何かあれですね。落ち着いて撮れるような状況ではなかったような気がします。震災発生直後の、南三陸町の防災対策庁舎の写真です。津波から逃れようと、３階建ての庁舎の屋上に避難した人たちが写っています。地元紙・南三陸新聞の記者だった及川清孝さんです。避難した高台から、津波に飲み込まれる町の様子を撮影しました。あの日、午前中に取材した高齢者のイベントの記事を会社で書いているときに、大きな揺れに襲われました。これはとんでもない津波が来るっていうふうに、すぐに直感しましたね。津波の対策の勉強会とかそういうのに出る機会が結構ありましたから、もう来た瞬間に、地震の瞬間にこれはまずいなって、すぐ逃げなくちゃって思いましたね。