あの日　わたしは

福島県南相馬市- 助けてくれという形で、手を挙げていたと思いますが、もう体も顔も、泥で真っ黒な状態で、それで非常に寒かったですし。すべてがパニック状態だったものですから、取りあえず道路まで、生きている方を少しでも助け出したい、という気持ちで動いていました。福島県南相馬市の老人施設で事務長を務める小林敬一さんです。震災当日、小林さんがお年寄りを避難させているとき、津波が施設を襲いました。平成２３年３月１１日、変わり果てた老人施設をカメラは捉えていました。施設にいたお年寄り１３６人のうち、３６人が亡くなり、職員１人が行方不明となりました。震災から８か月。当時お年寄りがリハビリに励んだ部屋。施設の職員が利用者の背中を流したお風呂。泥やがれきは取り除かれたものの、施設は３月１１日を境に変わり果ててしまいました。