あの日　わたしは

福島県南相馬市- これはと思った瞬間にドーンと来て、あとは無我夢中で。船の運転とか何とかなんて出来なくて、津波に流されたまま。どうしてもこれは、海で死ななくてならないのかなって。私はこれ、駄目かなとはうん。一時はちょっと感じたことで、あとは無我夢中で。福島県南相馬市で漁協の支所長を務めている松野豊喜さん。松野さんは、漁港で船内待機中に、津波で船ごと陸まで流されました。南相馬市鹿島区にある真野川（まのがわ）漁港です。津波で大きな被害を受け、３８隻あった漁船のほとんどが失われました。地震が起きたとき、漁港にいた松野さんは、すぐ自宅に帰り、妻と母親を避難させたあと、再び港に戻りました。そして、漁港の異変に気づきました。一番下がったときでは、やっぱり船に乗ることが出来ないぐらい下がったよね。今まであんなに潮が引けていたのは、見たことなかったから。