日本災害復興学会誌 復興 第６号｜復興予算の検証 [PDF]

東日本大震災の復興予算は、民主党菅内閣の時期に、集中復興期間の５年間に 19兆円が必要とされ、2011年度、12年度で約 19 兆円が配分されたが、予算未執行の繰越等もあり、これまでに 17.5 兆円が使われた。そして、2012 年 12 月の総選挙で政権についた安倍内閣は、13 年度予算で 4 兆 3,840 円を計上し、復興予算全体では 6 兆円増額し、５年間で 25 兆円にする計画で、これによって、被災自治体の不安を解消し、復興を加速させるとする。しかし、これまで復興予算は大量に被災地以外の事業に流用されており、今後も「全国防災」には使用できる仕組みを残すこととされており、予算を増額したからといって、必ずしも被災地の復興が進むという保障はない。 本稿では、いわゆる流用問題をはじめとする、復興予算の問題点について検討する。