とうほう地域総合研究所　福島の進路 2012.6｜調査　震災後の福島県における雇用・労働情勢の実態について

本県では、震災および原発事故により、現状でも若年層を中心とした県外避難者が６万人以上も おり、人口流出による労働力人口の減少が懸念されている。さらに、特例措置により休業者を含む 雇用保険受給者数が依然として高い水準にあることから、労働力人口の中でも、実際に働いている 就業者の割合が低下していることが予想される。一方、雇用情勢では、復興関連の求人数が増加傾向 にあり、有効求人倍率は全国平均を上回るなど、改善の動きを続けている。 このように、震災後の本県における雇用
労働情勢は明暗を分ける動きがみられ、不透明感が高まっ ている。そこで、本稿では、統計データを基に雇用
労働情勢の実態を分析し、県内経済に与える 影響について考察してみた。