みやぎジョネットへの支援を通して

私は義妹、藤田 育子より彼女が賛同している△（＝トライアングル）室蘭女子会の長期被災地支援に対し国際ソロプチミストアメリカ日本北リジョン(1)より助成金を支給されたことを知りました。 　義妹に室蘭女子会代表、前　美子（まえ　よしこ）さんに取り次ぎをお願いし、支援金申請の際の提出レポートをライシャワー日本研究所2011年東日本大震災デジタルアーカイブへの投稿を要請したところ幸運にも電話口頭にて承諾を得ることができました。ここにご紹介いたします。 受賞名： 国際ソロプチミストアメリカ日本北リジョン東日本大震災義援金プロジェクト「女性と女児への贈り物II〜希望をつなぐ」(2)北リジョン賞 http://www.sia-kita.jp/pdf/present/present_05_2.pdf また、国際ソロプチミスト室蘭(3)から△（トライアングル）室蘭女子会への活動資金進呈の様子は地元新聞で報道されました。 （ 室蘭民報 ２０１４年３月２５日 「室蘭女子会」に２０万円　震災被災者支援を評価　ソロプチミスト活動資金贈呈　 ） 以下＊印から＊印まで　前　美子さんのレポート。 最後に、△（トライアングル）室蘭女子会が行っている長期被災地支援に対し敬意を表したいと思います。 ２０１４年４月１７日　 Koko Howell 　 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ みやぎジョネット(4)への支援を通して ２０１１年３月１１日友人とお茶を飲んでいた私は、ビルの５階にいて大きな揺れに皮膚がざわざわした。外を見ると中央町の街路灯が大きく揺れている。中学校時代十勝沖地震を体験した以来の不安感だった。 家へ帰ってTVのスイッチを入れるととんでもないことが画面いっぱいに映し出されていた。それから日々被害は重なっていっていた。 その後、何をどうすれば・・なにをしたらいいのか・・あまりに広範囲で、取りあえず、友人や親戚の安否を尋ねた。茨城県日立市に住む従兄弟夫婦の家ののり面が欠け家が少し傾いた以外は、皆無事だった。（しかし、この茨城の情報は１ヶ月も経とうかという時間経過の中での情報だった。） 何もしないまま、８ヶ月過ごした。 ２０１１年１１月全国シェルターネットシンポジュウームが仙台で開催されることとなり、その春から胆振総合振興局で非常勤男女平等参画推進員、青少年指導員として働いていた私は、仕事として研修に参加することとなった。仙台の町はざっくりと見ると人の行き交いが多く、平常の状態というより賑やかな様子だった。しかし、よ〜く観察すると、建物にはひび割れがいたるところにあり、青葉城の石垣部分など立ち入り禁止区域があった。多くの人は海岸での作業に従事していて、宿泊場所を仙台に求め、一日１〜２時間かけて瓦礫の中作業を必要としているところへ通っていたための賑わいだった。 シンポジュウームは、この災難の中、よく開催したと誰もが思った。交流会開始前、入り口付近で海苔を販売している女性２人がいた。南三陸にお住まいで、工場も家も津波で流され、仮設で海苔作りを開始したという。何もしないでいるよりは、親たちが築いたものをこのままでは終われないという気持ちだったという。これから徐々に生産を増やしていきたいとお話ししていた。厚みのある美味しい海苔で、帰宅後何人かに食べていただき軌道に乗ったら、買おうということになった。このシンポジュウームで「ハーティ仙台(5)」という女性支援をしているグループのスタッフと話す機会があり、何をしたらいいのか、尋ねてみた。その方が「「忘れてないよ」が伝わるとうれしい。」と言った。そこで「ハーティ仙台」が被災者支援に特化して「みやぎジョネット」を立ちあげたということを知った。広範囲の被災地を全て網羅する支援は個人では難しい。たまたま知った縁でここを僅かでも支援していけたらいいなぁと思って帰宅した。 　「ハーティ仙台」とおなじように室蘭で女性支援をしている「ウイメンズネット・マサカーネ(6)」のスタッフの飯田さんと振興局の職員吉川さんにこの事を話し、賛同を得て、物品は中古不可（悩んだときは電話をさせて頂いて確認・・布団乾燥器いる？）お金はあつまっただけ（ジョネットはガソリン代など自前でボランティアなのでそのたしになれば）、女性が貰って嬉しいというコンセプトで集めた。支援の輪が広がっていき（新聞に載った事で申し出もあった。今はその方たちの力が活きてます。）仲間たちが仲間に声をかけ、広がりを感じた１年だった。 ジョネットでは女性たちが集まって「おっぱいプロジェクト(7)」（新聞記事参照）に必要な毛糸、リボン等そして被災者の女性たちの研修やお話しサロンで使う、お茶、お菓子などを中心にした。（サロンで集まっても中々本心は語らない。語るまで時間がかかる時、他地のお菓子の話題、お茶は話をするきっかけとなるという）また、ジョネットの希望を記載している（パンフレット参照）学生が使わなくなった裁縫箱e t c. ２０１２年2月、再び仙台へ。閖上地区の見学をした。海面があがったことがわかった。今まで生活の営みがあったところも、満潮になると海があった。学校の残骸があったところに机が一つ。花やお菓子が供えてあった。そこは絶えず人が来ていることがわかるお供えだった。遠くに家が・・近づくと外壁だけが残されていた。お寺があった。墓石もあった。それは流されたものを拾い集め置いてあるということだった。人工的に作った小山に登ると四方に生活の後は無くなり、遠くに仮設住宅が数棟あった。 被災者支援の研修の中で一人の女性が「ダメなんです。私ダメなんです。」と発言した。「もう１年も経つのに・・」言える言葉がないまま、女性に質問もできず、シーンとした中、助言者が「いままでよく頑張ってきたね」と言った一言に息ができた。 支援は、２０１２年３月以降も続けてということになった。 ブロートン(8)の関根夫妻は、コンサートを開催し、益金を寄付してくれ、本や「櫻がさねメール」の販売売り上げから寄付して頂いた。お茶（大町カフェカフェ(9)の塚谷さんがいつもコーヒーを提供してくれている）等幾人から提供された。 物品を送る量、回数が減った時「千葉のり店(10)の海苔を買おう」と声をかけ、取りあえずいくつか購入し、試食して貰い、今は各個人で必要に応じて申し込んでいる。 ２０１３年、できることが縮小され先細りの傾向にあったが、２ヶ月に１回くらい、お菓子（道産のものを紹介がてら）ワンコイン寄付（一万円位）で推移している。この程度が少なくなった人数でやっていけることかなと思いつつ、いつかまた、東北を訪れ、自分の目で見て感じて支援が続けられればと思うこの頃です。 平成２５年１１月１４日 室蘭女子会（取りあえず名前を付けたとう程度です。）前　美子 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 注釈（Koko Howellによる） (1) 国際ソロプチミストアメリカ日本北リジョン http://www.sia-kita.jp/ (2) 東日本大震災義援金プロジェクト『女性と女児への贈り物』｜国際ソロプチミストアメリカ日本北リジョン http://www.sia-kita.jp/present.html (3) 国際ソロプチミスト室蘭 http://www.sia-kita.jp/club/club_muroran.html (4) みやぎジョネット http://miyagi-jonet.blogspot.com/ (5) ハーティ仙台 http://hearty1999.exblog.jp/ (6) ウイメンズネット・マサカーネ http://fields.canpan.info/organization/detail/1268530183 (7) 毛糸のおっぱいプロジェクト http://www.tomo-j.jp/oppi/ (8) 喫茶・お食事のできる工芸工房ブロートン 北海道室蘭市絵鞆町4-2-14エンルムマリーナ内 (9) 大町カフェカフェ 北海道室蘭市中央町2-6-25 (10) 千葉のり店 http://chibanori.net/