社会福祉法人 遠野市社会福祉協議会 とおの社協だより 第34号 2011年11月17日発行

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ボランティア活動に参加して No.4 ボランティア 柳 澤  亮 さん  (東京都) あの日、ぼくはアメリカにいた。 早朝、ありえない時間にかかってきた電話で聞いたのは、「祖国で 大地震が起こった」というニュースだった。 最初はたいしたことはないと思っていた。でも、ウェブやテレビのニ ュースはどれも、波立つ気持ちをやわらげることはおろか、かすかな 希望的観測を抱かせてくれさえもしないものだった。 百人を超えることはない。そう願った死者の数がその百倍以上になる ことがわかりつつある中、思った。「日本に帰ろう」と。 そのうち「帰りたい」とは思っていた。だが、それが「帰らなくてならない」と強い思いに変わるのは、僕に とってごく普通の流れだった。帰ったところで、何ができるわけでもない。まず意味なんてない。 それでも、母国の人々が未曾有の災害に苛まれているとき、自分だけがはるか海を越えた安全なところにいる ことはできなかった。いたくなかった。自己満足でも偽善でもいい、瓦礫の一つでも拾いたい。そう思った。 そして、ぼくはここにいる。 今、何かの役に立てているかどうか、それはちょっとわからない。それ
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Japanese
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Japanese Title
社会福祉法人 遠野市社会福祉協議会 とおの社協だより 第34号 2011年11月17日発行
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ボランティア活動に参加して No.4 ボランティア 柳 澤  亮 さん  (東京都) あの日、ぼくはアメリカにいた。 早朝、ありえない時間にかかってきた電話で聞いたのは、「祖国で 大地震が起こった」というニュースだった。 最初はたいしたことはないと思っていた。でも、ウェブやテレビのニ ュースはどれも、波立つ気持ちをやわらげることはおろか、かすかな 希望的観測を抱かせてくれさえもしないものだった。 百人を超えることはない。そう願った死者の数がその百倍以上になる ことがわかりつつある中、思った。「日本に帰ろう」と。 そのうち「帰りたい」とは思っていた。だが、それが「帰らなくてならない」と強い思いに変わるのは、僕に とってごく普通の流れだった。帰ったところで、何ができるわけでもない。まず意味なんてない。 それでも、母国の人々が未曾有の災害に苛まれているとき、自分だけがはるか海を越えた安全なところにいる ことはできなかった。いたくなかった。自己満足でも偽善でもいい、瓦礫の一つでも拾いたい。そう思った。 そして、ぼくはここにいる。 今、何かの役に立てているかどうか、それはちょっとわからない。それ
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http://wayback.archive-it.org/2438/20110301000000/http://www.iwate21.net/tono-syakyo/pdf/vol034.pdf
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http://www.iwate21.net/tono-syakyo/pdf/vol034.pdf