日本子ども家庭総合研究所｜災害時の小児保健

東日本大震災は筆者自らも人生の中で遭遇した最大規模の自然災害であり、その影響の評価、さらには対応については未だ手探りの状態といっても過言ではない状況にある。体系的にまとめた「災害時の小児保健」というよりも「災害に出会った小児保健」として取り組み、考え、発信してきた事実を綴った次第である。中長期的にこの時代に子どもであった世代が、育つ過程でこの震災から身体的並びに精神的影響をどのように受けたかについては、もう少し年月を経て研究として明らかにされるのではないかと予想している。子ども達の秘める伸びる可能性を信じ、今後とも小児保健研究者として見つめていきたいと考えている。