東日本大震災復興支援松戸・東北プロジェクトニュース　”黄色いハンカチ”　第27号　2015年3月1日発行 [PDF]

当日のことは、あまりの凄まじさにただ驚き自分で何をしているのか分からない中、気を取り直し、とにかく、高台へと逃げるしかなく上の方から下を見下ろすと、海は恐ろし様に所々に渦を巻いてどんどん建物を飲み込んで行く様子が見え恐怖で震え身がすくんだ。地面は地割れし、自分の家の物置が流されていくのを見たときは、言葉にならないほどだった。幸い主人は ディサービスに行っていたので無事だったが本人は病気と不安の中、落ち着かずそれを見守るのも大変で当時よく乗り越えて生きてきたと思う。電気、水道、ガス、電話もダメの中、ローソクをともし、石油ストーブを頼りに夜は早く寝て日中は息子が、沢山の人々が並んだ列の水汲みに行きトイレもなく穴を掘ってするほかなかった。夕方、外に出ると津波で流されたワカメ工場が火事になり本当に地獄絵さながらであの光景は一生忘れられない。大規模なリフォームをした自宅は全壊になり、一年ぐらいは海も見たくないし、誰とも津波のことを話すこともなかった。ずっと胸にしまい込んだ状態から時が経過しやっと話す事ができた。今、認知症の夫の介護に追われる日々だけど一日一日を大切にし、生きていくが大事で死ぬまで