2012年正月、群馬司法書士会に一通の年賀ハガキが届いた。差出人は福島県の仮設住宅に 入居されている方である。裏面に年賀の言葉はなく、仮設に入居するまでのいきさつと、現 状がびっしりと書かれていた。最初は「ただの様子見避難」と思っていたこと、現在は知人 も友人もいない仮設住宅団地にやっと入居できたこと、米や野菜などの物資が不足している こと、年末年始を仮設で迎えることが書いてあった。そして最後に、「お忙しいとは思いま すが、ここの仮設を見に来てほしいです」と書かれていた。私たちはこのハガキに、仮設住 宅団地のなかでの孤立、仮設団地が所在する地域での孤立、そしてボランティアやマスコミ ひいては国民的な関心からの孤立が、凝縮されているように感じられた。私たちは仮設の現 在の姿を知る必要があると考え、福島県内の仮設住宅を訪ね歩いた。以下はその現状報告で ある。
2012年正月、群馬司法書士会に一通の年賀ハガキが届いた。差出人は福島県の仮設住宅に 入居されている方である。裏面に年賀の言葉はなく、仮設に入居するまでのいきさつと、現 状がびっしりと書かれていた。最初は「ただの様子見避難」と思っていたこと、現在は知人 も友人もいない仮設住宅団地にやっと入居できたこと、米や野菜などの物資が不足している こと、年末年始を仮設で迎えることが書いてあった。そして最後に、「お忙しいとは思いま すが、ここの仮設を見に来てほしいです」と書かれていた。私たちはこのハガキに、仮設住 宅団地のなかでの孤立、仮設団地が所在する地域での孤立、そしてボランティアやマスコミ ひいては国民的な関心からの孤立が、凝縮されているように感じられた。私たちは仮設の現 在の姿を知る必要があると考え、福島県内の仮設住宅を訪ね歩いた。以下はその現状報告で ある。