群馬司法書士新聞　震災対策特別号 No.12　2012年（平成24年）4月10日発行　特別寄稿　今こそ現実を語ろう　関西学院大学　野田正彰 [pdf]

東北大震災は津波被害と原子力発電所爆発の二つから成り立っている。原発事故は震災に よって起こったが、その後に持続する被害は津波被害と同等か、それ以上に大きい。津波被 害地と福島を複眼で見ていかねばならない。私たちは津波被災地と福島の原発事故被害地を、同等な関心で捉えてきただろうか。今回の大震災は東京に本社があるマスコミから、遠く離れたところで起こった。阪神大震災は大阪本社のすぐ近くで起こった。その違いは、はっきり出ていた。岩手、宮城、福島の地元紙は懸命に現状を伝えようとしていたが、全国紙は深さがなかったと私は思う。