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立花書房 講座警察法 第三巻 ◇コラム◇ 東日本大震災への対応状況 1
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立花書房 講座警察法 第三巻 ◇コラム◇ 東日本大震災への対応状況 pp.713~715
竹内 直人
平成23年3月11日(金)14時46分に発生した東日本大震災は、宮城県に死者・行方不明者を合わせて約1万1,000名という甚大な被害(1)をもたらした。大津波警報が出されたものの、当初予想波高が6mと実際を大きく下回ったこともあり、避難の遅れ等により大津波に飲み込まれて溺死した者が死者の92%以上という大変悲惨な結果になった。
宮城県警警察は、被災者の救出、捜索、身元確認、被災地の治安維持等の任務に、まさに組織を挙げて全力で当たり、相当水準の活動を行ったと認識しているが、これもひとえに全国警察からの絶大なご支援の賜物であり、この場をお借りして改めて御礼申し上げたい。
本稿では、主として発災後1ヶ月の警察本部長としての対応状況を簡記することとする。
(1) 浸水区域面積は、327平方キロと、山手線の内側の5倍以上。岩手58平方キロ、福島112平方キロを加えた面積の1・9 倍で、浸水区域の推定人口は約28万人弱。
1 初期の対応状況(断片メモ)
発災直後は、災害警備本部(非常体制時3,900人体制)設置の決裁(口頭)を行い、警察庁に広域緊急援助隊派遣の要請を行った旨の報告を受けた。NHKニュースで、岩手県に襲来した津波第一波の様子を見て、これはただならない事態になると感じ、気仙沼署長に電話を入れた後、対策室に移った。
15時17分には、南三陸に津波第一波到来との無線が入り、15時32分には、県庁災害対策本部の第1回会議に出席した。
以降の初日の状況を断片メモ風に再現すると、次のようなものになる。
原発異常なし、ヘリ「あおば」離陸、気仙沼留置人移動、仙台駅封鎖、南三陸署三階まで津波、気仙沼署1階まで津波、鹿落旅館(仙台市内)で悲鳴、女川壊滅的、大谷駐在所水没、閖上東部道路まで津波到達、荒井地区まで到達、若林区役所まで到達 (2)、仙台新港10m、石巻署パト流れる、塩釜署まで、仙台港防波堤に人(約200人)、南部道路に土砂堆積、石巻津波目視15m、泉スプリングバレースキー場に200人、大谷駐在所・巡査部長死亡確認、荒浜200−300人遺体発見情報(3)。
また、初日の110番通報は、1,775件(4)であり、「津波で人が流されている」、「首まで水に浸かった。助けてー」等、悲痛な通報も多かったが、残念ながら、事実上対応できなかった通報もかなりあったと認識している。
翌日の3月12日は、本格的な救出・救助を始めたが、一方で、重油・ガソリンの確保、交通規制ルートの広報等が課題となった。この日から、行方不明者相談ダイヤル(当初20回線、その後50回線に増設)の運用を開始したほか、検視場所として、総合運動公園「グランディ21」内の体育施設を使用することが可能となった。また、110番は最大となる2,323件であった。
3月13日の県庁会議(第10回(昼)では、「犠牲者が万人単位となるのは必至」と発言を行った(5)。この日に避難者数がピークに達した(32万人)。
3月14日には、知事との第1回面談(以降30数回実施)を行い、遺体収容場所追加確保、受付要員確保、検案医師確保、自衛隊への遺体搬送依頼等の事項について依頼した。
また、3月20日には、石巻市門脇町で80歳女性と16歳男性の生存者救出(石巻署・清野部長等4名、 鹿児島県系ヘリ「はやと」)があった。
(2)誤報。実際は若林ジャンクションまでであり、おそらく誰かが聞き間違えたもの。
(3)結果的に誤報。現場警察官からの無線連絡に基づくものとの報告を受け、筆者が初日夜の県庁災害対策本部会議で本情報を紹介。その後該当遺体は発見できなかったため、あるいは引き波で海中に没したかとも感じたが、同情報が引き続き他機関からももたらされたため、誤報との判断に時間を要する結果となった。参考:平成23年5月22日付け河北新報「ドキュメント大震災 その時何が⑨『混乱の極み 情報錯綜』」
(4)途中で切れる等の「非有効通報」も含む。
(5)収容場所、検視資機材(水、毛布、担架、遺体収容袋、ブルーシート、棺、注射器、注射針、ゴム手袋、マスク等)、検案医師、搬送車両・ボート、収容作業員が不足しているという趣旨。参考:平成24年3月1日付け読売新聞「3.11その時①『犠牲者の思い 伝えた数字』」他方で、膨大な数の中の「1」という数字の重みは忘れたくないし、忘れるべきでない。参考:平成23年9月13日付け毎日新聞「記者の目 被災地で今も続く遺体搜索 死者の尊厳守る大切さを痛感(仙台支局 高橋宗男記者)」
続く
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