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竹内 直人
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立花書房 講座警察法 第三巻 ◇コラム◇ 東日本大震災への対応状況 3
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立花書房 講座警察法 第三巻 ◇コラム◇ 東日本大震災への対応状況 pp.718~721
竹内 直人
4 署長宛書簡
3月19日、下記の内容の署長宛書簡を起案し、発出した。一部は当該署の暑状に応じて変えたが、以下、K署長宛の全文を引用する。
前略
被災から早くも一週間が経ちました。この間、極めて劣悪な勤務環境の中、**署長には、見事な指揮統率ぶりであり、衷心より敬意と謝意を表します。
警電、無線、電算網の今の状況では、本部との情報交換も困難であり、本部でどんな議論が行われているか、あるいはもどかしく感じておられるとも思います。
参考までにお伝えしますが、本部もずっと野戦司令部のような状態です。私も、下着を取りに、公舎に2回一瞬帰りましたが、泊まり込みを続けています。毎日2回の県庁災対策本部会議で知事や内閣府政務官と各種調整(遺体安置場所の選定等)を行ったり、幕僚会議で必要な指示(例:今は県警全体が一つの署(=私が警視級)のイメージ、各幹部も二階級ダウンの担当者という意識で(指示するのではなく)自ら動くべき、何がほしいとの総論ではなく、どこに何が何個必要で、調達・運送はどうするかを考えるべき等)をする日々です。
しかし、もちろん、第一線の参上とは比べるすべもありません。本当に文字通りの艱難辛苦を署長に強いており、申し訳なさで一杯です。◯◯署が**署長であることが、唯一の救いです。何とか、少しでも署員の元気が出るよう、更に工夫を凝らしていただければ幸いです。
署長をはじめ、署員一人ひとりの力を信じています。「メッセージ」にも書きましたが、未曾有の事態とはいえ、一致団結すれば「何とかなる」。(何しろこれ以上悪くは絶対になりませんから(笑)。)
A巡査部長 (8)の件、無念の極みであり、本当に辛いです。語学の勉強方法を議論したことを、今でも鮮明に覚えています。B巡査部長とも、「以前奥様と話をした」という話をしました。いずれも、ご家族のことを思うと、断腸の思いです。直接お話しできないことが、歯がゆいばかりですが、署長から私のこの気持ちをお届け下さい。
しかし、泣いてばかりはいられません。私も、気持ちを強く持って乗り切って参ります。署長も、まず御自らの健康にくれぐれも注意されますよう。
諸事よろしくお願い申し上げます。
追伸 凍結していた人事異動ですが、定年退職者が新年度にはもはや勤務できないため、一部のみ(所属長ポストに間隙を生じさせないための必要最小限度)、年度末に実施いたします(追って正式連絡)。現場担当者レベルの大規模な異動を内示通り強行することは、燃料・車両等の不足も続いているため、非現実的であり、なお当分の間、凍結致します。多数の警察官・一般職員にあっては、新年度も現所属のままとなりますが、今次の特別異動措置がやむを得ないもの(未曾有の今次震災の現状にかんがみ、年度をまたいで、現在の非常体制とその運用を継続)であることを理解させていただきたいと存じます。
(8) 殉職者の個人名を記した。
5 市町村へのお願い
前後するが、3月16日、各市町村に所属長を割り当て、検視の意義・関係法令の説明をさせることとした。そのため依頼文を自ら起案し、部内の認識を統一した上で(関係部局長会議、担当者会議を開催)、各市町村に届けることとした。以下、全文を引用する。
市町村長の皆様へのお願い
宮城県警察本部長
平成23年東北地方太平洋沖地震による犠牲者のご遺体の取扱いについて(お願い)
標記の点に関し、多大なご協力をいただいていることに衷心より感謝申し上げます。また、何かとご迷惑をお掛けしており、誠に申し訳ございません。
さて、本地震による犠牲者の数がおびただしいものとなっているところ、ご案内のとおり、ドライアイス等の確保が非常に困難な現状下、ご遺体の保管は、日増しに深刻なものとなっております。そこで、この度、警察庁からの通達(別添1(略))に基づき、関係作業を下記により執り行うことと致しましたので、何とぞご理解とご協力を賜わりますよう、お願い申し上げます。
記
1. 死体見分(いわゆる行政検視)の目的
警察は、死体取扱規制(別添2(略))に基づき、死因の調査、身元の照会・確認、ご遺族への引き渡し、市町村長への報告等を目的として、死体見分を行う責務を有しております。
2. 措 置
今回の警察庁通達を受け、ご遺体の保管の現状にかんがみ、本地震に係る死体見分の作業項目を必要最小限のもの(詳細は担当者に指示済み)といたしました。これにより、作業速度は相当迅速になると思われますが、一方で、ご遺体の引き渡しを受けたいとのご遺族の強い思いにおこたえするため、例えば、指紋、掌紋の採取、DNA型資料の採取、全身・顔の写真撮影、着衣・所持品の確保等、後日の身元確認を可能とするための作業は、いかなる状況下でも省略することはできない点につき、ご理解賜りたいと存じます。
3. ご留意いただきたい事項
2. による死体見分が行われた後、従来通り、立ち会いの医師による死体検案書の作成が行われますが、この点は、一連の手続の中で必要不可欠なものであり、市町村におかれましても、引き続き、必要な医師数の確保にご協力賜わりたく、お願い申し上げます。
また、一定期間の保管・調査を経てもなお身元が確認できないご遺体につきましては、現実的に身元不明死体として取り扱わざる得ない状況であることから、死体取扱規則第9条の規定に基づき、死亡地の市町村にお引き渡しいたしますので、ご如才なきことながら、行旅死亡人法第7条(9)の規定による埋葬又は火葬が速やかに行われますよう、格段のご配慮を賜わりたいと存じます。
併せて、本文書の趣旨を市町村民の皆様にご理解いただくことにつきましても、ご協力賜わりたく、お願い申し上げます。
(9)事後修正したもの。原文は「墓地埋葬法第9条」と誤記していた。
続く
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