日本地理学会｜東北地方太平洋沖地震による京葉臨海部における液状化現象の発生と被害状況 [PDF]

東京湾京葉臨海部では，2011 年 3 月 11 日の東北地方太平洋沖地震により液状化現象が広範囲にわた って発生し，道路，電柱，護岸施設，上下水道，家屋等に大きな被害が生じた．千葉県浦安市内では， 市の 4 分の 3 を占める埋立地で液状化現象が発生し*1，3 月 13 日時点では約 37,000 世帯が断水してい た*2．その後，徐々に復旧が進み，上水道は 4 月 6 日に応急復旧工事が完了したが，下水道の応急復旧 作業が引き続きおこなわれており，4 月 8 日時点で下水道の使用制限地区が未だに残っている状態であ る*3．また，浦安市では，千葉県議選が 4 月 1 日告示，4 月 10 日投開票のスケジュールで実施される 予定であるが，市は被災状況の大きさから適正・公正な選挙を執行することが困難であるとして，選挙 の延期を総務大臣と千葉県選挙管理委員会に要請した*4．それに対し，県選挙管理委員会は日程通りの 選挙実施を求め*5，両者が対立する事態となった．