浦安市猫実在住 70代男性 震災体験談（震災発生翌日～現在）

【震災翌日～現在】 ●自転車で周囲の被害状況を確認 翌日、自転車で浦安市全域を見て回りました。地域によって被害状況はさまざまです。旧市街と新市街で、かなり違うことにも驚きました。明海小近くのマンホールは大きく飛び出して浮き上がっています。大きく陥没し、曲線を描いてうねっている道路もありました。 人の姿はほとんど見かけませんでした。店の売り場に、物がなくなっていたせいもあるかもしれません。でも、まずはバスが動いていたこと、そしてごみの回収車が収集作業中であったこと、そして新聞配達のバイクが走っていたこと。この3つの光景を目にし、まだまだ浦安は大丈夫という気持ちになったのを覚えています。とりあえずこんな状況下であっても、交通、回収作業という機能が通常に働いているとわかり、とても安心しました。 ●非日常の生活がしばらく続く しばらくの間は、地震が起きてもすぐに逃げ出せるようにと、パジャマに着替えず、普段着のままで寝ていました。震災後は水が使えなくなってしまいましたが、幸い風呂場に水を溜めてあったので、それをトイレの流し用などに使っていました。 父の様態が悪化したらどうしようという思いが常にありました。かかりつけの病院は閉まっています。それでもいただいていた薬がまだ何日分もありましたし、故に緊急の時は救急病院へ行けばいいと前向きに考えていました。 ●震災時に必要なもの 震災発生後3日目に乾電池を買いに行きましたが、どこへ行っても見つかりませんでした。ついに市川まで行き、おもちゃ売り場で見つけることができました。それを地元民に教えると、同じように乾電池を探していたようで、「助かった」と喜んでいました。震災を体験して思ったのですが、やはりいざというときは物が大切です。こんなときいくらお金があってもただの紙幣でしかありません。 また、道路を自転車で走っていて、信号が全部止まり、交通誘導もなく、大きな道などはどうやって渡ったらよいのかもわかりません。停電時の対策をどうするのか、日頃から市などでもきちんと確認しておいたほうがよいと思います。 ●震災に備えた対策を いざというときのためにも、日頃からの危機意識が大切だと思っています。個人だけでなく、それぞれの団体や役所で十二分に確認しておく必要があると思います。 実際に震災当日は図書館内にいましたが、まったくアナウンスや誘導がありませんでした。やはりこれは問題だと思います。日頃から避難訓練をしておく必要はあると思いますし、また周囲の地盤や建物の老朽化や耐震化の確認など、どこへ逃げたら安全かという確認も十分にしておくことが大切だと思っています。 注：提供いただいた市民より以下に留意していただくよう要請がありました。 １．これは震災の記録として残す為記述したものです。 ２．全三回分を再構成し一回分に編集したものです。 ３．故に詳しくは残りの部分を参照していただきたい。 ４．正確な記憶に基づき述べたものですが、他の記録との整合性については考慮しませんでした。 ５．これらの事柄から何か学びとってもらえれば次に役だつと思われます。