宇宙技術の防災利用への貢献 [PDF]

【「だいち」防災利用の実例】 「だいち」による防災利用の実例として，防災機関などにおける利用が確認された事例の中から，東日本大震災への対応，およびアジアにおける災害対応事例を紹介する． 東日本大震災2011 年 3 月 11 日，東北地方太平洋沖地震が発生し，またこれに伴って発生した津波などにより東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害が生じた．JAXA では直ちに「だいち」による緊急観測を計画し，地震発生翌日の 3 月 12 日および 3 月 14 日に光学センサ（PRISM，AVNIR-2）による観測を行い，震度 5 強以上の地域全域を撮影し，国土技術政策総合研究所（国総研）に提供した．国総研や国土交通省関係機関は，太平洋沿岸部などの速やかに地上点検に着手することが困難な地域を含め，土砂災害の発生状況の確認作業を行い，大きな変状が発生していないことを確認した。