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当時、私は高校の卒業式を一週間程前に終えて、来る大学生活まで暇を持て余す生活を送っていた。
3月11日は、昼過ぎに自転車で30分程かかる家電量販店へ買い物に出かけた。
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Japanese
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私は高校の卒業式を一週間程前に終えて
Japanese Description
当時、私は高校の卒業式を一週間程前に終えて、来る大学生活まで暇を持て余す生活を送っていた。
3月11日は、昼過ぎに自転車で30分程かかる家電量販店へ買い物に出かけた。とても晴れた日で、花粉症が酷く死ぬような思いをして家電量販店にたどり着いたのを覚えている。買い物を終え、自転車で家に向かう途中、お気に入りのラーメン店の側を通りかかり食べるか食べるまいかで非常に悩んだが、結局その日は起きるのが遅く、朝食が遅かったのでその店には寄らず帰宅した。ラーメンを食べていたら、ラーメン店で被災したであろう。
帰宅したのが2時過ぎだったかと思う。外で浴びた花粉を落とすため、シャワーを浴びた。さっぱりしたところでTVをつけ、パソコンを起動し、コーラを飲みながら作業を始めようとしたところでその時が訪れた。最初はゆっくりと揺れていたが、次第に激しい揺れとなったので慌てて飼犬を着ていた服の中に入れ、逃げ道を確保する為もあって窓を開けてベランダに出た。激しい揺れのため、ベランダの柵に捕まらなければ立てない程だった。揺れが激しくなる程にあたりからは悲鳴が聞こえ、向かいのマンションの屋上にある携帯電話の中継アンテナが激しくしなっているのが見えた。揺れはどこまで激しくなるのか、自分は無事でいられるのか、様々な思いがよぎった。
一回目の揺れが収まると、向かいのマンションから人々が出てくるのが見えた。あたりは、揺れで発生した土埃で埃っぽくなっていた。自分は、家から出る前に情報収集が必要だと思い、TVのチャンネルを回した。TVではキャスターが慌てた様子で強い地震が起きたこと、そして冷静な行動を呼びかけていたが詳しい情報は流れず、情報が錯綜しているのが伺えた。他のチャンネルではお台場のビルから煙が出ている様子が映しだされていて、これは大変なことになったと悟った。そうこうしていると二回目の揺れがきた。今回は机の下に潜り、TVを見ながら揺れが収まるのを待った。揺れが収まると、家の中の被害を確認した。幸い食器が割れるなどの被害はなかったが、本棚が倒壊して中の本が散らばっていた。被害確認が終わると、心細かったのでノートパソコンと携帯電話をリュックに詰め、コートを羽織り、その中に犬を入れて外へ出た。外へ出ると同じマンションの住人が同じく外へ出てきていた。仲のいい住人と落ち合え、しばらくその人と外で揺れの様子を伺った。一方、自分はtwitterやメールを用いて家族に自分が無事であることを知らせようと努力した。
数十分後、激しい揺れが収まったと判断して部屋に戻ろうとすると、同じ階の、フランス文学専攻の元大学教授の初老の住人と出会った。地震についてしばらく話をした後、大学の話になり、「第二外国語はなにを選択する?」と聞かれ「まだ決めてないです」と答えると「フランス語なら良い辞書があるからあげよう」と言い、辞書を二冊ほど頂いた。
そうこうしていると、同じ階に住む幼なじみと出会った。彼も自分と同様一人で留守番していたようで、しばらく彼の家で一緒に過ごすことになった。二人でTVを見ていると、震源が東北地方であること、東北地方に巨大な津波が押し寄せている様子などが放送されていた。巨大な波が港に押し寄せる様子は現実味がなく、不謹慎にも崖の上のポニョのワンシーンを思い出した。
やがて、彼の父親が、自分の母親が仕事を引き上げて帰宅し、私は自分の家に戻った。自分の父親は帰宅難民となり、仕事場近くの親戚宅で一晩過ごすこととなった。
それからの一週間は、度重なる余震や原子力発電所の事故のニュース、甚大な被害の様子をTVで目の当たりにし、精神的疲労が重なったためか下痢が続いた。一週間を過ぎると体調も回復し、状況にも慣れ日常が戻り始めた。しかし、一方でスーパーやコンビニの品薄状態から地震の影響の大きさを感じることもできた。
大学入学という節目でこのような大災害に遭遇したことは、自分の人生に大きな影響を及ぼしただろう。
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