3.11　14:46私は

3.11　14:46 私はいつも通り仕事をしていました。激しい縦揺れがきたので、自動ドアを開けっぱなしにして揺れが収まるのを待っていましたが、揺れは収まるどころか更に激しくなっていき立ってるのもやっとになりました。 外に出ると雪が降っていて、遠くから聞こえてくる防災無線では｢津波警報｣という聞きなれない単語。この時点で悪い夢なら覚めて欲しいと思いました。 上司から帰宅・避難の指示が出され急いで車で自宅へ戻りましたが、信号が止まっているために渋滞でした。歩いて帰ろうかと思ったけど、まだ少しは進んでいたのでそのまま裏道に抜けて思ったよりすんなりと帰宅する事ができました。 自宅へ着くと雪が降って寒い中、義母と４歳の息子が外で待っていました。 急いで子供の飲み物・お菓子・毛布２枚を持って好文館高校へ車で避難。 先生や生徒が教室へ案内してくれて座る事ができました。 その５分もしない後に｢津波がきた！｣｢早く逃げろ！｣｢早く校舎に入って！｣という声が聞こえてきて、次々と非難してきた人たちは膝下くらいまで濡れていました。 そして、またしばらくすると車のセキュリティー音がたくさん鳴り響いてました。水没してクラクションが鳴っていたのですが、教室の廊下側にいたので外の光景は見れませんでした。 携帯は不通、ストーブはあるものの余震で倒れたら危ないので消火。 息子には持ってきたお菓子と飲み物を少しずつあげました。 幸い私たちは毛布を持ってきていたので暖はとれました。車に積んでいたひざかけも持ってきていたので近くにいた年配の方に差し上げました。 本当は毛布をお貸しできれば良かったけど、当時私は妊娠初期で体は冷やせないと思いお貸しできませんでした。 避難する時に何故か毛布は持っていかないと！と持ってきて正解でした。 夜中に夫・義父と携帯で連絡がついたので安心しました。 次の日、朝にこのままでは家の様子も心配だし、息子の食べるもの・飲むものもない。かといってここにいたら３人とも精神的に参ってしまう(雰囲気があまりにも暗かった)ので息子を肩車して帰る決心をしました。 生徒用玄関に行くと帰るか迷っている人たちがたくさんいましたが、その人たちに見送られるように息子を肩車して進みました。 いつもより倍以上の時間をかけて、記憶を頼りにマンホールの上を歩かないように、足場はしっかりしているか確認しながら、浅いところでは膝くらい・深いところでは腰まで浸かって無事に家に帰れました。 家の中は浸水して大変な事になってましたがインスタントラーメン・たまたま義母が作っていたさんまの佃煮・ジュース・炊飯器の中の冷ごはんがあったので二階でそれを食べたりしたしました。 その数日後に給水所へ行ったり、スーパーなどへ何時間も並んで買い物しましたが毎日が精一杯であまり記憶に残ってません。 冬に避難する時は暖がとれる服装・もしくは毛布など・飲み物・食べ物・ラジオ・懐中電灯を持って行くといいと思います。 当時お腹の中にいた子も健康に育ってくれています。大きくなったらこの震災の事と、お腹にいるのに冷たい水に浸かってしまった事を謝ろうと思っています。